令和年度学術部特別研修会『認知症の方の地域支援~OTからアイデア創出~』
しおかぜ病院 神原ゆい
令和元年11月10日(日)、三豊市文化会館マリンウェーブ会議室にて、令和年度学術部特別研修会『認知症の方の地域支援~OTからアイデア創出~』を開催しました。これまで実施してきた認知症初期集中支援研修を修了した方を対象としており、19名の参加がありました。
講師は埼玉県でご活躍されている尚寿会あさひ病院認知症疾患医療センターの倉本貴志先生、前回の実践研修でもお越し下さった訪問看護ステーション開くの森志勇士先生、訪問看護ステーションユニネット・まちかどの森奈奈先生の3名をお招きしました。
先生方の各地域での実践内容の講演をお聞きし、多職種との連携や地域の特性を活かした関わりが大切だと感じました。午後からは地域ごとにグループに分かれて、地域に対しどのような取り組みが出来るかについてディスカッションを行いました。各地域の現状を踏まえた上での取り組みや、認知症の方の御家族に対する支援について、まだ認知症と診断されていない方に対する支援方法など他の作業療法士の方々とアイデアを出し合い意見を交えることができました。今回グループディスカッションで挙がったアイデアを基に、これからの香川県での認知症の方に対する地域支援が豊かになっていければと思います。
令和元年10月27日(日)、今回初めて県からの補助を受け、主催は県士会で対象は介護従事者向けの老年期うつ病研修会を実施しました。介護職の方や看護師、地域包括の方を中心に44名の参加がありました。講師は首都医校の髙橋章郎先生をお招きしました。先生の柔らかい言葉からでる経験を踏まえた講義に参加者から「わかりやすく伝えていただいた」「現場で工夫してみようかとやる気が出ました」等アンケートから多くの感想をいただきました。
認知症の研修会は多い中、老年期うつ病の研修会を開催したことへも好評であったことがアンケート結果からうかがえました。
今後も作業療法士向け研修会はもちろん、今回のような他職種向け研修会も機会があれば企画運営していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。最後に、当日は運営担当の公共事業部の会員にもご協力いただきました、ありがとうございました。
老年期うつ病研修会担当:しおかぜ病院 前田悠志
2019年10月20日、ユープラザうたづにて生活行為向上マネジメント基礎研修が開催されました。講師は楠原敦子先生、桂雅俊先生、若林佳樹の3名でした。
新人からベテランさんまで幅広く参加してくださりました。1日研修でしたが皆さん熱心に受けてくださっております。特にグループワークでは、経験年数関係なく1人1人が発言することができ良い話し合いになっておりました。
また、グループ内では初めてお会いする先生同士も多く、普段の臨床について共有することが出来たようです。時間をかけてシートを活用することで使い方もわかり、他の作業療法士の思考過程も共有でき良かったと思います。
今後、日本作業療法士協会の中村会長が発言されている「活動」と「参加」、地域包括ケアシステムに資する作業療法実践を出来るよう委員として支援したいと考えております。今後とも皆様、MTDLPを活用していきましょう。
文責:香川県作業療法士会 理事 若林 佳樹
第10回香川県訪問リハビリ実務者研修会が令和元年10月19日、20日、専門学校穴吹リハビリテーションカレッジにて開催されました。
1日目は「東北で行われている訪問リハステーションの活動紹介〜地域における問題解決のプロセス」をテーマに浜通り訪問リハステーションの熊谷大先生が講義くださいました。
2日目は「都道府県保健福祉計画に対する地域課題」をテーマに香川県長寿社会対策課地域包括ケア推進グループ副主幹の岡洋樹様、株式会社創心會代表取締役の二神雅一先生が講義くださいました。
普段、東北のことを知る機会が少ないため、震災当時のガソリン確保、避難した方と連絡が繋がらない、情報不足・混乱、仮設住宅の環境整備など非常に勉強になりました。また、訪問リハステーションについても学ぶことが出来ました。
香川県の課題を知りつつ、実際に療法士が企業され20年以上も継続している会社の取り組みを教えていただきました。香川県で見たこともない取り組みをされており、同じ療法士として非常に良い刺激を受けました。
今後、香川県のために役立つことができる療法士になりたいと強く感じた研修会でした。来年も多くの療法士の参加をお待ちしております。
文責:公共事業部担当理事 若林 佳樹
学術部特別研修会に参加して
しおかぜ病院 堀切咲季
令和元年8月25日(日)、ユープラザうたづ会議室において、令和元年度学術部特別研修会~香川県 認知症ケア人材育成研修補助事業~を開催し、22名の参加がありました。今回は基礎研修受講者を対象とした実践研修会で、講師は京都府で作業療法士としてご活躍されている訪問看護ステーション開くの森志勇士先生、訪問看護ステーションユニネット・まちかどの森奈奈先生をお招きしました。先生方の講演を聞くだけでなく、実際の事例を通してのグループディスカッションも行ったことで、他の作業療法士の方々のご意見も聞くことができ、充実した研修会となりました。
今回の講演で特に印象深かったことは、「将来、認知症カフェが地域に溶け込んで存在するためには“認知症カフェ”という呼び名が無くなること」というお話でした。“認知症カフェ”と聞くと、「主に認知症の診断を受けた方、またそのご家族の方が参加するもの」というイメージがあり、特別な場所と認識されがちな現状があります。認知症の有無に関わらず誰もが当たり前に認知症について相談できる場所になっていき、認知症に対する特別視が世の中から薄れていくこと、それが認知症の方やそのご家族の方の生きづらさが無くなっていくことに繋がっていくのだと思いました。
香川県生活行為向上マネジメント委員会主催 令和元年度 生活行為向上マネジメント事例検討会①
2019年9月26日高松協同病院で香川県生活行為向上マネジメント事例検討会を行いました。
今回の発表タイトルは、「MTDLPにて、在宅生活が安定した症例〜トイレ・シャワー浴と家族の介護負担を中心に〜」です。
話し合うテーマは「アセスメント演習シート・プラン演習シートについて」、「通所リハビリとの連携について」、「今後の生活行為の目標について」にし、それ以外にも個々のお困りごとも話しできました。
今回、ベテランの先生から新人の方など約20名の方が参加してくださっております。
グループワークでは話しやすい4〜5人で1グループにし、委員が丁寧にサポートさせていただきました。経験にかかわらず、一人一人が熱心に話し合われ、様々な学びを得られたと思います。
これからも非常に重要なMTDLPの推進を行なっていきます。
次回の事例検討会は2019年11月28日木曜日19時〜21時ユープラザうたづで行いますので、ぜひご参加ください。
ベテランさんから新人まで、どなたでもお気軽にお越しください。
委員一同楽しみにお待ちしております。
香川県生活行為向上マネジメント委員会
若林 佳樹
令和元年9月19日(木)に西香川病院にてブロック勉強会を開催しました。参加者は27名でした。
今回の症例報告・検討会は、「重度認知症患者の生活場面に介入し、ADL動作の介助量軽減を認めた症例について」山野彰真先生(西香川病院 所属)、「右脳内出血を呈した症例の自動車運転再開に向けての取り組み~自己認識の向上に繋げる本人支援について~」松江沙祐里先生(西香川病院 所属)でした。
発表では、重度認知症患者に対する介入方法の紹介があり、検討会では、認知症の方に対する接し方について様々な意見が出ました。自動車運転に対する内容については、今後の継続課題でもあり、OTの関わりについてはまだまだ検討しなければいけない問題であるというご意見もありました。
今回ご尽力頂きました西香川病院のスタッフの皆様、ならびにご参加頂いた先生方ありがとうございました。今後とも積極的な参加の呼びかけをOT同士で行って頂ければ幸いです。
文責:学術部部長 纐纈 功(橋本病院)
令和元年8月22日(木)に高松協同病院にてブロック勉強会を開催しました。参加者は34名でした。
今回の症例報告・検討会は、「買い物動作の自立に向けて ~左被殻出血により高次脳機能障害を呈した症例~」喜田鈴音先生(高松協同病院 所属)、「上肢機能が改善し麻痺手をADLに汎化できた症例」末金 誠先生(高松協同病院 所属)でした。
回復期におけるアプローチ方法の紹介や検討会では経験年数の違った先生方同士で様々な意見が交わされました。
今回ご尽力頂きました高松協同病院のスタッフの皆様、ならびにご参加頂いた先生方ありがとうございました。今後ともブロック勉強会のご参加をよろしくお願い致します。
文責:ブロック勉強会委員長 久保潤一郎(樫村病院)
令和元年6月8日(土)、高松市にあります、瓦町フラッグ健康ステーションにて、高松市民向けの健康長寿講座が開講されました。これは、年間を通して様々な内容での講義を、高松市在住の65歳以上の市民に向けて行うというものであり、各テーマごとに医師・理学療法士・作業療法士・看護師などの職種が講師となり講義を行います。今回は「運動・健康作り」というテーマで開講され、香川県作業療法士会からの派遣という形で、講義を行ってまいりました。
今回、作業療法士からの講義としては、「健康について考える ~心と体も健康に~」という題目に沿い、お話をさせていただきました。参加者は70名程度いらっしゃいましたが、皆さん興味のある内容なためか、真剣に聞いて下さいました。
本講座は高松市民対象とした長寿講座ではありますが、我々作業療法士がこのような方々に少しでも必要とされていると考えると、日々の業務で関わっている患者さんや利用者さんだけでなく、自分が住み・働いている地域に貢献する事の大切さを改めて感じることができました。今後も作業療法士の社会的認知度を上げ、地域貢献できるように努めてまいりたいと思います。
医療法人社団 研宣会 広瀬病院 リハビリテーション部 作業療法士 田村篤史
令和元年6月23日(日)、サンメッセ香川において、令和元年度第1回学術研修会を開催しました。今回は大阪府立大学准教授、竹林崇先生をお招きし「行動変容を導く上肢機能回復アプローチ」というテーマで講義して頂きました。当日は、過去最高人数の114名の参加がありました。
脳科学の知見に加え、CI療法の研究結果からエビデンスを示され、介入方法も動画やわかりやすい写真を交えて伝えていただきました。学習を基盤とした上肢機能訓練におけるコンポーネントとして1、麻痺手に対する量的な訓練 2、課題指向型訓練(Shaping、Task-practice)3、麻痺手に対する行動学的手法(Transfer Package)が重要であると述べられていました。特に目標設定とその共有、日常生活でのモニタリングや日記法など、生活場面に繋げる重要性を具体的に示されており大変勉強になりました。麻痺手を他動ではなくいかに主体性を持ち、使用できるかどうか、明日からの臨床介入に繋がるヒントが沢山提示されました。
終了後の出席者のアンケートも好評で「講義内容が分かりやすかった」「画面越しでは無く直接聞けて良かった」「研究の話と実際の臨床の話が聞けたこと、動画もありわかりやすかった」などポジティブな意見が多くさらには「とても興味深く面白かった」と言った、学びに対するモチベーションが高まった意見が多く寄せられました。講義は昨年同様、午前中開催で、参加しやすかったという声も聞かれましたが、もう少し長く聞きたかったという意見も聞かれました。今後の研修会で検討していきます。
今回の研修会を通し、日々の疑介入方法の再検討と、行動変容させる働きかけの重要性を再確認できました。
今回お忙しい中ご尽力いただきました講師の竹林先生、及び学術部担当委員の皆様、ご参加頂いた沢山の皆様ありがとうございました。
文責:第1回学術研修会担当 学術部副部長 西山脳神経外科病院 鶴窪良樹