学術部特別研修会開催報告
令和元年12月1日(日)、四国医療専門学校にて、令和元年度学術部特別研修会「認知症の方と家族支援~作業療法士に何ができるか~」を開催しました。作業療法士を対象とし、37名の参加がありました。今回は香川県認知症ケア人材育成研修補助事業の一環にて、公益社団法人認知症の人と家族の会香川県支部世話人代表の松木香代子先生、佛教大学の苅山和生先生の2名をお招きしました。まず、松木香代子先生が実際に写真を用いながら園芸やうどん作りを通しての利用者様同士の交流、表情、行動等を講演して下さりました。苅山和生先生は、認知症施策推進大綱や新オレンジプランとオレンジプランの違い等について講演して下さりました。その後、1.OT自身が、我が事としてリアルに、人生の課題を自問自答(哲学)する、2.その哲学と今までの実学をもとに、作業療法士(or作業療法)が今行うべきことを列挙する、3.介護支援+終了支援+子育て支援のどこからでもいい、ひとつずつ、1㎜ずつ前に進める具体的方法を議論するという内容でディスカッションを行いました。ディスカッション後には各班が発表をし、松木香代子先生、苅山和生先生からアドバイスを頂戴しました。その中には、「その人の事を知る工夫」や「辛い事を伝える工夫」、「家族の介護に対する助言と工夫」等実際に私が勤めているデイケアでも起こっている内容や、同じように悩んでいた事もあり、大変参考になりました。
今回の研修の中で私は、松木香代子先生の「家族の思いとOTの支援のすり合わせについて、たとえOTが思っている事と家族の思いが違っても、家族の思いや幸せを組み入れる事で家族と本人の関係性が良好となった事例がある。」という言葉が特に印象的でした。また、苅山和生先生の「利用者様にとってもOTにとっても日々のルーティンだけでなく、新たな挑戦が必要。イチローも日々のルーティン(素振り等)だけでなく新しいことを取り入れてきたから世界レベルになった。」という言葉も印象的でした。
最後に、今回お忙しい中ご尽力いただきました講師の松木香代子先生、苅山和生先生及び学術部担当委員の皆様、ご参加頂いた沢山の皆様ありがとうございました。
いわき病院シルバーデイケアきらく 山田啓介